
リウマチで手首が痛いときのセルフ整体|3つの方法を図解

目次
初めに
今回は、リウマチによる手首の痛みや腫れで悩んでいる方に向けて、動画でお伝えしているセルフ整体を紹介します。
手首が痛いと、財布からカードを出す、家事や洗濯をする、といった普段の動作がつらい方はぜひ実践されてください。
実技動画
理論編:リウマチの痛みを当院ではどう考えるか
免疫の働きと、当院が着目する内臓の状態
関節リウマチは、免疫が自分の関節を攻撃し、炎症や痛み、腫れを引き起こす病気です。簡単にいうと、免疫の「暴走」が起こっている状態です。医療機関では、薬などで免疫の異常や炎症を抑える治療や、痛みを和らげる治療を行います。
一方、私が整体で大切にしているのは、身体の状態をよくしていくことです。身体の状態を整えることが、免疫や炎症の落ち着きにつながると考えています。では、身体のどこに着目するのでしょうか。
まず重視しているのが、内臓の状態です。私は、内臓に蓄積した疲労を整えることと、免疫や炎症の落ち着きを関連づけて考えています。施術の現場でも、内臓の状態が変わるなかで、症状に変化を感じる方がいます。
当院では、東洋医学を「すべての不調の根本には五臓の乱れがある」という視点で捉えています。その五臓の乱れを「内臓疲労」と解釈し、内臓を整えることを通じて、不調の改善につなげることを目指しています。
もう一つは、指・手首・肘のねじれ
もう一つ重視しているのが、骨格のねじれです。手首に症状がある方の指先・手首・肘のねじれに着目し、それを整えることで症状の変化につなげていく、というのが当院の考え方です。
それでは、内臓へのアプローチと、骨格のねじれへのアプローチを、3つの実技に分けてお伝えします。
実技編1:曲池(きょくち)を刺激
最初は、肘付近にある「曲池」というツボです。東洋医学の考え方から、免疫の安定に着目して使っているツボです。

場所を探す
まず肘を伸ばしてください。人差し指側のラインに沿って肘へたどると、肘のシワ付近に少しふくらんだところがあります。そこを目安にします。図では場所が見えるように、肘を曲げて位置を示しています。
肘を曲げたときのシワの外側の端付近を、反対の手の指の腹で軽く確かめます。触れたときに痛みを感じる、痛くはないけれど硬い、気持ちよく感じるなど、反応は人によって異なります。痛みを確かめるために強く押し込む必要はありません。
細かい一点に神経質になりすぎず、その周辺の硬さや感覚を確かめてください。曲池は大腸経という経絡のツボで、私は東洋医学の観点から免疫に着目するときに使っています。施術の現場でも、手応えを感じているツボです。
指を離さず、力を緩めて触れる
- 触れる場所が分かったら、指を離さず、その場で力を緩めます。
- 緩めた状態で、皮膚が少し動くくらいの力でやさしく触れます。
- ゴリゴリと強く押したり、痛みを我慢したりしないでください。
「痛くないと効かない」と思う方もいるかもしれませんが、痛みを出すような刺激は必要ありません。ごく軽い力で行ってください。リウマチでは関節に炎症が起こっていることがあるため、ゴリゴリと強く刺激するのではなく、やさしく触れることが大切です。
刺激する時間・頻度
時間は、20秒〜1分ほどを目安にしてください。できれば朝・昼・晩、薬を飲む習慣のように、生活の中で思い出して行っていただければと思います。忙しい方は1日1回でも構いません。強く長く行うよりも、無理のない範囲で細く長く続けることを大切にしてください。
実技編2:三陰交(さんいんこう)を刺激
次は、足首の内側にある「三陰交」です。私は、東洋医学の考え方から炎症に着目するときに、このツボを使っています。

内くるぶしから指4本分ほど上を探す
- 足の内側を見て、内くるぶしの一番高いところを確認します。
- 自分の指4本をそろえ、小指側を内くるぶしの高さに合わせます。その指4本分ほど上が目安です。
- その高さにある、すねの骨の内側のきわを、指の腹で軽く確かめます。
こちらも、硬さや、触れたときの感じ方が異なる場所を確かめてください。細かい位置が分からなければ、指の腹などで少し広い面に触れてみてください。位置が分からないからといって、深く強く押す必要はありません。
皮膚が少し動く程度に刺激
曲池と同じように、触れる場所が分かったら力を緩めます。ぎゅっと押して痛みを我慢するのではなく、皮膚が動くくらいのやさしい圧力で行ってください。
時間は、こちらも20秒〜1分ほどが目安です。できれば朝・昼・晩、忙しい方は1日1回でも構いません。
実技編3:指・肘・手首を整える
骨格のねじれと、痛む場所の違い
ここまでの曲池と三陰交は、内臓へのアプローチとしてお伝えしたものです。ここからは、骨格のねじれという観点から考えていきます。
リウマチの症状が出る場所は、人によって異なります。手首の方もいれば、膝や股関節、足の指先などに症状がある方もいます。当院では、こうした痛む部位の違いを見るときに、骨格のねじれがどこにあるかにも着目しています。
私は、リウマチに限らず、ねじれがあるところは痛みが出やすいと考えています。そのねじれを整えることで、流れがよくなり、痛みも変わりやすくなるという見方です。
指 → 肘 → 手首の順に行う理由
手首は、一番最後に扱います。なぜかというと、指先の向きが変わるだけでも、手首に動きが伝わり、さらに肘や肩へも連動するからです。大きな動きで考えると、肩甲骨、背骨、骨盤にまでつながっていきます。
身体は一つひとつが切り離されているのではなく、つながっていると考えます。そのため、手首に症状がある場合でも、まず指先、次に肘、最後に手首という順番で進めます。
① 指を軽く包んで動かす
まず指です。「ねじれを取る」と聞くと、バキボキと音を鳴らすような強い動きや、ストレッチのようにぐりぐりとひねる動きを想像するかもしれません。しかし、そのような動かし方は関節に強い負担がかかります。
ここでも、ツボに触れるときと同じく、皮膚が動くくらいの力が目安です。指をぎゅっとつかまず、皮膚にそっと触れる感覚を先に確かめてください。

- 指1本を、反対の手でやさしく包み込みます。強くつかまないでください。
- 小さな回転の動きを加え、指の根元から指先へ少しずつ移ります。
- 同じように、すべての指に触れていきます。
このとき、痛みを出さないことを必ず守ってください。リウマチの状態は人によって異なり、ほんの少し動かすだけで痛い方もいます。その場合は、無理にひねらず、皮膚に触れて滑らせる程度にします。それでも痛い動きは行わないでください。
少し動かしても痛みが出ない方は、自分の状態に合わせてごく小さく動かしてください。ねじれを整えるために、力を入れて大きく動かす必要はありません。
回数は、指の根元から指先までを1〜2往復ほどが目安です。時間がなければ1往復でも構いません。回数よりも、痛みを出さないことを優先してください。
② 肘を支えて左右に揺らす
次は肘です。肘は指のように動かしにくいため、下から手を添え、左右から軽く挟むように支えます。握り込むのではなく、包むように支えることが大切です。

- 反対の手を肘の下に添え、親指とほかの指で両側から軽く支えます。
- 動かす側の腕は、だらんと力を抜きます。
- 支える手で、肘を左右へ小さく揺らします。縦に大きく動かすのではありません。
そんなに大きく振る必要はありません。ほんの小さな動きで行ってください。支えているほうの手がつらければ、肘を包んだまま、両腕を一緒に小さく揺らす方法でも構いません。自分の状態に合わせ、無理のない範囲で行ってください。
③ 手首を軽く包んで動かす
最後が手首です。基本は指と同じで、手首を強く握らず、皮膚を軽く包むように持ちます。そこから、ごく小さなひねりの動きを加えます。

- 反対の手で手首を軽く包みます。ぎゅっと握らないでください。
- 皮膚が少し動く程度の、小さなひねりの動きを加えます。
- 強く引っ張ったり、無理にひねったり、変形を力で戻そうとしたりしないでください。
回数は20回ほどが目安ですが、回数をこなすために無理をしないでください。指と同じく、皮膚を軽く滑らせるくらいの感覚で行ってください。
実技の順番をおさらい
まず指を軽く包み、根元から指先へ小さく動かします。次に肘を包み、できるだけ腕の力を抜いて、支える手で左右に揺らします。支える手がつらければ、両腕を一緒に小さく揺らす方法もあります。最後に手首を包み、小さく動かします。
まとめ
今回は、まず内臓の状態を整えるという当院の考え方から、曲池と三陰交への刺激をお伝えしました。もう一つ、骨格のねじれという観点から、指・肘・手首を扱う方法を紹介しました。
手首が痛い方でも、指先や肘の状態を併せて見るのが、今回の方法の特徴です。内臓と骨格の両面から、自分の身体の状態を見直してみてください。
その場で変化を感じる方もいれば、感じない方もいます。当院では、症状が出ている状態を、それまでの身体への負担や疲労の蓄積という視点からも捉えています。一度だけの反応で判断するのではなく、自分の身体を見直すつもりで、無理のない範囲で考えていただければと思います。
続ける場合も、痛みを我慢することが前提ではありません。痛みや腫れ・熱感が強いときや、動かすと症状が増すときは中止し、主治医に相談してください。
参考文献:日本リウマチ学会「関節リウマチ」/慶應義塾大学病院 KOMPAS「関節リウマチのリハビリテーション」
※ セルフ整体は医療機関での治療に代わるものではありません。治療中の方は主治医の指示を優先し、薬や治療を自己判断で中止しないでください。







